観光

06.07.2018 14:10

位置:中央アジア

国土:142.6平方キロメートル、山岳が93パーセント、アフガニスタン、中国、キルギス、ウズベキスタンと国境を接する。

気候:大陸性の乾燥気候。年間300日晴天。

水源:およそ1000の川、2000の湖、8000の氷河

歴史文化遺産:シルクロードの一部、古代の集落の跡「サラズム」と国立公園がUNESCOの世界遺産に登録されている。

観光:登山、マウンテンスポーツ、スキー、狩猟、民族誌

ビザ:およそ80か国の国民に対しては、ドゥシャンベまたはホジャンド空港でアライバルビザが発給される。

国際線:ターキッシュ航空、フライドバイ、中国南方航空、カーム航空、サモンエア、UTエアー、ウラル航空、シベリア航空

ホテル:ハイアットリージェンシー、シェラトンホテル、セレナホテル

 

 タジキスタンの領土は、古代から東西を結んでいるシルクロードの要所に位置しており、バクトリア、ソグド、イスタラヴシャンやフェルガナからインド、アフガニスタン、中国に至る道の途中にあります。このシルクロードは東西の物品だけでなく、思想や文化、人々なども行き来していました。

 タジキスタンは標高300メートルから7495メートルまで分布する山岳国です。国土の93パーセントがパミール高原、ヒッサール山脈、天山山脈といった山脈に属しています。そしてこれらの山岳地帯の間に肥沃で豊かなフェルガナ、ザラフシャン、ヴァフシュ、ヒッサール渓谷があります。複雑な地形と山脈による大きな標高差によって、生物多様性に富んだ環境が存在しています。

 タジキスタンには急峻な山岳、巨大な氷河、急流や他には見られない美しい湖や固有の植物や希少な動物がみられます。起伏がある地形や、平らな地形によってタジキスタンの自然は独特で他では見られないものとなっており、その豊かさは「生物と気候の多様さ」として知られています。ヴァフシュの酷暑地帯から、万年雪のあるパミールの極地気候帯まで飛行機で1時間半で移動できます。13の国が定める鳥獣保護区やゾルクル、ロミット、モズクル、ダシュティ・ジュムといった自然保護区、シルケント歴史自然公園などの国立公園によってタジキスタン固有の自然環境、生態系、自然遺産が守られています。

 タジキスタンが観光事業として推進しているのは次の物が挙げられます。

・登山、マウンテンスポーツやエコツーリズム

・ラフティング、パラグライダー、スキー、スキー登山

・狩猟

・歴史、文化と民族

・療養と休暇

 タジキスタンはきれいな水の豊富さでは世界一です。中央アジア全体の水資源のうちのほぼ半分がタジキスタンの山岳地域の河川、湖、氷河から得られています。これらの水資源により、タジキスタンは世界で8番目に水力発電が盛んな国となっています。また、ゴルノ・バダフシャン自治州には、これらの河川や氷河などとは違う起源をもつ湖が多いです。このうち最大のものとしてカラクル、ゾルクル、ラングクル、ショルクル、サレズが挙げられます。これらの湖は、1911年の地震によって作られた天然ダムです。他にも、パミール地方は標高3200メートルから5000メートルであり、1450の湖と220の川があります。これは、タジキスタンの水面積の83パーセントを占めます。パミール地方最大の湖は唯一の塩湖であるカラクルです。この湖は標高3914メートルに位置し、最大深度は236メートル、氷河期に形成されたと考えられ、湖底と沿岸には永久凍土が存在します。

 タジキスタンには200近くの鉱水、温泉の源泉があります。これらを用いた温泉観光も発展しています。もっとも有名なものとして、リゾートならホジャ・オビ・ガルム、バホリストン、保養地ならシャアムバリ、オビ・ガルム、ズムラド、ハヴァタグ、ヤヴロズ、カルトゥチ、ガルム・チャシュマが挙げられます。また、炭酸温泉であるガルム・チャシュマ、バショルには石灰の湯の花がみられます。湯の花は、ホログから35キロ離れたガルム・チャシュマのものが特に美しいことで知られています。

 パミールには唯一、人の手で作られた自然として、ホログ市近郊、標高2320メートルにあるパミール植物園があります。この植物園は不毛の斜面に位置しているにもかかわらず、2万種類以上の植物がユーラシア大陸中から集められた、まさに「緑の奇跡」と呼ぶべきものです。園内にはキハダ、カシ、ヨーロッパクロマツや美しい色や無類の香りを放つバラが集められています。

 タジキスタンのファン山地、特にザラフシャン山脈とクシュトゥットダリヤからファンダリヤにかけてのヒッサール山脈の間の山々は観光客や登山家に人気です。今日、ファン山地はタジキスタンの山の中では最も交通の便がよいと言われています。特に知られているのが、鏡のように映る、青緑色の水をたたえた湖、イスカンデルクルです。この湖はタジキスタン北部にあり、ファン山地で最も大きい湖である。標高は2200メートルで、観光客は湖面に映る星や、立ち上る霧を楽しむことができます。また、ドゥシャンベから160キロ離れた湖畔には観光客のための拠点「イスカンデルクル」があります。ここから、観光客はファンダリヤ、ヤグノブ、イスカンデル・ダリヤといった風光明媚な峡谷へと車を走らせることができます。そこでは、山々は青や赤、紫といった様々な色に彩られているのを見ることが出来ます。その鮮やかさからイスカンデル・ダリヤ峡谷は「色のついた岩の谷」とも呼ばれることもあり、谷に吹く風によって色とりどりの岩はおとぎ話に出てくる城壁や城のようになっています。

 タジキスタン南部にも、多くの旅行者を引き付けるものがあります。中央アジアで最も古い街のひとつであるクリャーブは、2006年に建設からちょうど2700周年となり、この日はタジキスタンの重要な記念日となりました。バルジュヤン地方の深い森の中では、タジキスタンの考古学者が中央アジアで最も古い、85万年前の石器が発掘されました。歴史的建築物としては、クリャーブにある、14世紀に活躍した著名な哲学者であるミール・サイード・アリー・ハマドニーの廟が挙げられます。この廟には、彼のスーフィズムの教義を信奉する人々が多く巡礼に訪れます。さらに、この地域にはほかにも9世紀のシャキーキー・バルヒー、14世紀のシャー・ネマトッラー・ヴァリー、7世紀のスルタン・ウヴァイシ・カラニーの廟もあり、今でも多くの人々に啓示を与えています。

 今日、75社を超える旅行会社がタジキスタンに存在しています。タジキスタン政府は国際観光を推進するために、ビザ取得の簡略化を決定しました。現在、入国に必要な書類は3日以内に発行されます。ヴァルゾブ、バルジュヴォン、ロミットが政府の決定で保養のための温泉地となるなど、段階的に観光産業の再建が推し進められています。65パーセント以上の保養地と観光施設が設備を新たにし、約35の個人旅行者向けの施設が建設されました。

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